かがっくん

金星探査機「あかつき」の金星周回軌道への投入失敗についての原因が少し分かってきた。

軌道投入の為に減速が必要で逆噴射をしたのだが、
噴射の152秒後に姿勢変動がおき、着たい加速度も急激に変化、
185秒後に噴射を中断し姿勢制御モードに入っている。

この姿勢の乱れの原因は何らかの噴射の異常が起こったとして、その可能性を5つに絞り込んだ。


異常燃焼による軸非対称燃焼
・スロート後方後燃え：
・不安定燃焼
・インジェクタ噴射異常
これらについては
「実績のない燃焼条件で動作させた可能性があるので要因として否定できない」

さらに原因として考え得るのは。
・フィルム冷却のクーリングの噴射異常
・燃料の高圧ガス加圧系に入っている逆止弁CV-Fの閉塞

などでいずれも噴射の異常になる。

今後シミュレーションや年商試験などで原因を絞り込む。
ただ試験の準備だけで数ヶ月かかるようなものもあるらしい。
しばらくはこれ以上の絞込みは出来ないようだ。


まあ次の金星接近までは6年もある。
いま「あかつき」のエンジンがどういう状態なのかじっくり分析すればいい。
中村正人プロジェクトマネージャは
「楽観はしていないが、決して諦める状況でもない」
「まずは、探査機の状態を確認して、どこに問題があったのか原因を究明するのが先決。その結果を踏まえて、改めて6年後の再投入を検討したい」
と言ってるらしいし、
可能性は低そうだが、6年後に今のエンジンの状態でも軌道投入を試みる事を諦める必要はない。

これがまた次の探査機の設計に繋がってくるだろうし、トラブルが起きたことはデータが増えたってこと。
どうしても宇宙探査はやってみてどうなるか分からない部分もある。
貴重なデータを積み重ねてぜひとも次は成功して欲しい。