かがっくん

ピロリ菌といえば胃炎・胃潰瘍を引き起こす怖い細菌。そこから胃がんにもなる。
発見した学者が自分でピロリ菌を飲んで胃炎になることを証明したことでも有名になった。

このピロリ菌から抽出した物質を生後２週間のマウスに与えるとアレルギー性気管支喘息の予防効果があることが分かったそうだ。
筑波大などの研究チームが突き止めて、アメリカの医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーションに発表した。


気管支ぜんそくではないが、以前から胃炎の治療でピロリ菌を除菌した患者らが食道炎や食道がんの発生率が高くなることから、なんらかの食道を防御している物質を出しているのではないかとは言われていた。

それを実際の実験で証明したのは大きい。
ただ効果があったのは生後2週間のマウスで、生後8週間のマウスでは効果は無かったそう。
この物質はピロリ菌が作りだす「ＣｈＡｃＧ」という物質で、免疫系の発達期にＣｈＡｃＧを投与されるとリンパ球が活性化してアレルギーを抑える物質を分泌したと推測しているらしい。


この手の話はよくあることで、タバコとガンの関係についてもよく誤解されているが、タバコはがんになる確率があがるわけではない。
タバコによって肺がんの確立は上がるが、乳がんになる確率は下がるからだ。

また似たような事は食事でもあり、洋食中心の食事はは大腸がんになりやすく和食中心だと大腸がんは減ることが分かっているが、和食中心の食事だと塩分が多く胃がんになりやすくなることが分かっている。
がん以外でも洋食では脂肪が多く心疾患や糖尿病などの生活習慣病になりやすい。逆に和食では塩分が多く高血圧、動脈硬化から心筋梗塞、腎臓病、脳出血などの誘因となる。

よくテレビなどで○○が何々にいい！などと放送すると、とたんにその食品が売り切れるらしいが、まったく無意味で実際にはいろんな食品を満遍なく取るのが一番いい。


ピロリ菌の物質のほうだが、筑波大大学院数理物質科学研究科の島村道夫研究員は「ヒトの予防薬は近い将来、実用化が十分可能だ。食物アレルギーなど他のア レルギー性疾患にも効くだろう」と語っており、今後の研究によってアレルギーに対しての予防や治療が進む事を期待したい。